2016年12月12日月曜日

クラブモデル

こんにちは。バイクカフェ カイエンドーです。
さて当店でもプッシュしているクラブモデルですが、
果たしてその正体が未だわかっているようでわかってない店長です。


RALEIGHカタログより転載、1960年代のクラブモデル

ARAYA/RALEIGH公式サイトやカタログで触れられていますように、
1930年代のイギリスで紳士淑女の交流の場であったサイクリングクラブで
用いられたモデル、という解釈で概ね間違ってはいないようです。
外見の特徴としては、湿潤な気候に適応するためフェンダーを装備し、
田園地帯への遠出のため荷物を積むリアキャリアは必須装備だったようです。

というわけで、カールトンAをベースにクラブモデルを組んでみました。


フェンダーはあえて純正ではなく、Crana C-liteを用いて細身で現代的なスタイルにしました。
リアキャリアはコストダウンの意味も含めVIVA バッグサポーターを選択。
ライトはAXA砲弾型LEDライトで見た目と性能を両立させています。

さて組んでみて思ったのですが、スーツでの通勤に非常に向いているのではないかと思います。
8速コンポーネントは現在では低グレードですが、半面耐久性は非常に高く
メンテナンスの間隔も伸びるため毎日の通勤に面倒がありませんし、
ギアガードが標準付属でスーツでも裾の汚れが気になりにくい利点があります。
リアバッグサポーターは工夫すればビジネスバッグも積めます。


さて上記の古いラレーのカタログ画像に戻ると、フェンダーとリアバッグが装備され、
さらに変速機には当時のラレーが得意とした内装変速機、
ハブダイナモによるライトを装備しています。
内装変速にハブダイナモとはなかなかに近代的な装備ですね。

なおこのパーツ構成から、競技に特化したロードバイクとは全く異なることも伺えます。
どちらかというと遠乗りを楽しむための車種と言えそうですので、
日本において60~70年代に一世を風靡した(らしいですよ)ランドナーやスポルティーフと
ほぼほぼ同じコンセプト、同じ用途、同じターゲット層だったのではないかと思います。

世界恐慌前の1930年代の英国といえば、中産階級が十分に育ちきったころであり、
中産階級の余暇として、新しく生まれた自転車という乗り物が選択されたと考えれば
割としっくりきます。(乗馬は上流階級の嗜みで、自転車はその代替品だったのかもしれません)

翻って1970年代の日本と言えば、戦後から復興し高度成長のまさにその時で、
十分な収入を得た中流層の間で、それまでは実用品だった自転車が趣味として認知され、
田園地帯へ出かける自転車ブームになったと考えればこれまた割としっくりきます。
英国の30年遅れで同じようなムーブメントが起こったと考えると面白いですね。

というわけで話が長くなりましたが、うちでもクラブモデルにしてみましたという話でした。
通勤からツーリングまで、21世紀でもクラブモデルは姿は変えず健在かもしれません。


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