2018年1月15日月曜日

レストアについて(続)

こんばんは。バイクカフェ カイエンドーです。
昨年末のレストアについての続きです。

今回は90年代のアラヤ マディフォックスのレストア事例を
ご紹介したいと思います。

国産MTB最盛期を過ぎて陰りが見え始めた頃、1990年代後半の年式で、
アルミフレームの量産期に入り始めた頃のCrMoフレームです。
もちろんアラヤの国内工場製です。


 入庫した時点ではこの状態です。
保管状態が半屋内だったため、当店でのレストア車の中では
比較的状態良好です。ただし走行不可能です。

今回のポイントは、
・コストダウンのため使えるパーツは温存する
・危険なパーツに関しては交換
・当時の姿にはそこまでこだわらない
・オーナー様に合せたサイズフィッティングも行う
の4点になります。

変速は90年代中盤では標準的なシマノSTX 3x7です。
リア8速に変更するためにはホイールから変更する必要がありましたので、
7速を温存する方向にしました。
ディレイラーとシフターは前後とも古いグリスの固着と外装の錆だけでしたので、
分解洗浄とグリスアップで問題なく動作しました。
この年代のシマノはかなり分解が可能ですね。
 最近のシマノはほとんど分解できない構造だったり、
ロックタイト赤が塗られていたりします。

上:研磨後、下:研磨前

クランクはスギノ インペルです。STXとグレード的には同等ですね。
クランクアームは表面の酸化が激しかったため、コンパウンドで酸化物を落とし
怪しい箇所はクラックのチェックを行い、クリア塗装しました。
チェーンリングは錆を落としてそのまま使います。
アウターとミドルはシャーシブラックで塗装しました。
なお、カセットBBには全く異常がみられなかったので温存しました。

ヘッドは古いグリスが固着して回らなかったので
分解洗浄しました。非常にシンプルな部品構成です。
ステムは表面の錆を落としたのみです。

ホイールにはなぜか24インチのリムテープが!
フロントにはそもそもリムテープが入っていませんでした。何故?
古いものにはよくあることです。

ハブとフリーは回りますがいまいちだったのでグリスアップしておきます。
グリスでベトベトだったので写真はありません...
スポークとニップルの異常をチェックし、ホイールテンションを調整します。
スポークは念のため交換することも検討しましたが、
保管状況が良好だったことと異常が見られないためそのままにしました。

リム、わかりにくいですが上半分は清掃後、
下半分は清掃前です。
同時に腐食やクラックをチェックします。
リムサイドの劣化にも注意します。



途中省きますが完成です。
ブレーキはレバーが固着していたため、レバーごと新品に交換しました。
現行のVブレーキを選択しても良かったのですが、
カンチ時代の設計のフレームにVの制動力は強すぎるため、
シマノ CX-50カンチブレーキにしました。
(昔よく使われたブレーキブースターは入手困難です)
年式的にもカンチブレーキの方がしっくりきますね。
このカンチブレーキも昔のものとは段違いな制動力があります。

フレームは軽くコンパウンドをかけ、ツヤ出しのため
ペドロス バイクラストで磨いただけですが、驚くほど綺麗になりました。

最初の画像と比較していただくと差がよく分かると思います。
外見だけではなく、もちろん実用品のMTBとして、
林道やトレイルの走行も想定して補修しています。

今回は半屋内保管(倉庫)のため状態が良かったため、
大物パーツの交換もなく当時モノを温存できました。
部品代を除くと工賃で3万円に収まっております。
(フレームの清掃と磨き上げは今回サービスですので別料金です)

レストアに関しましてはいつでもご用命を承っております。
まずは状態を見てから無料でのお見積りから始めさせて頂きますので、
お気軽にお越しください!

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。