2020年11月29日日曜日

キャンプツーリング 積載例 続バイクパッキング編

 先週はあやうく夜会の日時を間違えてしまうところでしたが、今週の夜会は無事終了しました。寒い中ご参加いただきました皆様、お疲れ様でした!


さて先週準備したバイクパッキング、さらに変更を少々加えてバックパックなしでも十分な積載量で今回行ってきました。

前回はリアのビンドルラックに22リットルのドライバッグを無理矢理縛り付けましたが、今回13リットルにしています。見た目も自然に収まっています。


フォークレッグ右に冬シュラフ、左はタープなど小物を入れた10リットルのULドライバッグを付けています。ハンドルバーから Topeak フロントローダーでウェア類とタープポールなどを吊っています。

シートチューブのツール用ボトルケージはダウンチューブ下に移設、代わりにミノウラ マルチケージを装着しました。 EVERNEWのソフト水キャリーを無理矢理感あふれる感じで縛り付けています。
ナルゲンボトルでも良かった気がしますが、ソフトキャリーは帰りには折りたたんでコンパクトにできるので、1泊程度の場合には便利です。


中身のチェックです。リアの13リットルドライバッグには、RIVERSのボトルと、下段左から焚き火道具袋、食糧入れ、クッカー袋を入れています。




左の焚き火道具袋には、前回わりとうまく動作した空き缶ウッドストーブ3号と土台網、火ばさみ、革手袋、燃料の割り箸を入れています。

右のクッカー袋、こちらはサイドバッグ編とほぼ同等ですが、今回はアルコールストーブを持っていかずすべて固形燃料にしました。相当な軽量化とコンパクト化が可能です。空いたスペースに写真中央のショートパスタを詰めたボトルを入れました。このボトル、フジッリならいっぱいに詰めてちょうど100gになります。帰りにはゴミを密閉できるので便利です。100均で買いました。

なお最近は持って帰って洗うのがめんどくさくてフライパンは出していません。
シェラカップがあれば一応焼き物にも対応できたりします。


こちらは左レッグに付けたドライバッグの中身です。左上からグランドシートと雑巾、アルミマットと洗濯ばさみ、 UST オールウェザータープ、100均ブランケット、軽量折りたたみチェア、SOTO ポップアップテーブルです。
今回はテントではなくタープ泊です。冬場は蚊がいないのでタープがたいへん快適です。山岳テントを使っていると、軽量化のためにタープにしてもあまり重量も容積も変わりません。タープ泊にする理由は星空がよく見えるという点と、家に帰ってから干すものが減るという切実な理由だったりします。

なお、テーブルのように角の尖った硬い物がこすれると、ULドライバッグのようなナイロン生地は容易に穴が空きます。左の写真のようにブランケットで角をくるむなどしておいたほうが無難です。右は穴が空いたULドライバッグです。引張にはめっぽう強いリップストップナイロン生地ですが、摩擦には弱いらしく硬いものを入れてこすれるとあっさり穴が空きます。


防寒ウェアはULドライバッグに入れて圧縮してハンドルバーに吊るしたTopeak フロントローダーにタープポール、エア枕と一緒にまとめました。
Topeakのフロントローダー、8リットル入りで左右開き、エア抜きバルブ付きのドライバッグが付属していますが、今回のように使わずに荷物をまとめることもできます。ドライバッグ付きで¥8800なのでかなりお得です。

なお店長のRadarはハンドルバー回りにおかしな物が付いているので、フロントローダーをかなり無理矢理な吊るし方をしています。要改良です。

小物類はまとめてPost Generalのポーチに入れて、どこか取付けられるところに取付けました。
今回はハンドルバーの右側手前に付けています。

タープ泊、冬は特に星空がよく見えるので、一度は試してみる価値ありです。雪山用の温かいシュラフを用意すると寒さも感じません。むしろ地面からの冷えが来ますので、店長のようにペラペラのアルミマットではなくきちんとしたマットを用意すれば快適に過ごせます。



2020年11月22日日曜日

キャンプツーリング 積載例 バイクパッキング編

 来週28-29日は恒例の夜会です。本人が今週と間違えて準備してしまいましたのでそのご紹介です。

なんと今回、食糧やウェアの着替えなども含めてバックパックが不要になりました。
毎回、食糧と冬物ウェアは溢れてしまうのですが今回積み方と荷物を見直すことでまとまりました。

まあまあ無理矢理感はありますが...
右レッグは冬シュラフ、左レッグには13リットルのオルトリーブドライバッグを使っています。
ヴァーサケージなどのレッグに付けるケージには普通は8リットル前後を使いますが、無理が効くのでうまいことすれば積めてしまいます。

他のキャリアと比較して高価なPDW ビンドルラック、これも無理が効くのでうまいこと積んだ上に更に乗っけられます。軽くてかさばるものはビンドルラックの得意とするところですので、マットなども積めますね。
緑のドライバッグに冬物ウェアを入れています。赤いバッグはオルトリーブドライバッグ22リットルです。中身が少なすぎて折り返したので変なことになっています。22リットルは直径が大きすぎたので、こちらは13リットルでちょうどいい感じです。

ここに来て問題発生、水のパックを入れるところがなかったので、ハンドルバーから吊りました。正確にはハンドルバーから生えたTTバーからですが。
まだハンドル下には何も付けていなかったので、ここにもなにかバッグが付けられるなーと画策中です。
さてこいつはここのところお気に入り、Post Generalのポーチです。Lサイズ¥2400
某PALSスティックとほぼ同規格のアタッチメントで取り付けるようになっていますので、いろいろなところに仮設できて大変便利です。

中身に関しては来週の夜会の後にまた解説したいと思います。その時までにハンドル下に何か便利なものを吊るしておこうと思います。

バイクパッキング、うまく積めば予想以上に積めますので、キャリア積載に飽きた皆様は挑戦しても面白いと思います。

2020年11月8日日曜日

エスビット固形燃料ストーブ 新製品!

 エスビットの新製品が出ました。

エスビット ポケットストーブミディアム WS ¥2,000 +税

エスビット固形燃料 27gx8 ¥1,600 +税

ポケットストーブ ミディアムWSは、従来のポケットストーブ スタンダードよりちょっと大きいサイズです。

左がスタンダード、右がミディアムWSです。WSには風防が付属しています。


折りたたんだ状態での寸法は 115x86x23mm、ポケットストーブが98x77x23mmなので、ほんの一回り大きいサイズになっています。また、角が丸められています。
ポケットストーブでは小さすぎてクッカーが安定しない、という方にはおすすめですね。

新しいサイズの固形燃料、こちらは1タブレット27gと、エスビットでは最も大きいサイズです。
1タブレットずつパック入りになっています。折れ目で半分に割ると13.5gになるので、固形燃料ミリタリー(14g)とほぼ同じサイズです。

同時発売のミディアムWSにぴったり2パック収納できます。
なお1タブレットで500mlのお湯を5分で沸騰させられます。

この27gというサイズ、実はご飯を1〜2合炊くのにちょうどいいサイズだったりします。
旅館の食事で出てくる青い固形燃料、あれが20〜25gで、あれに火をつけて放置するとご飯が炊けます。
ほぼ同じサイズなのでこれでも同じようにできるはずです。(今度試してみます)

こちらは青い固形燃料でご飯を炊く動画です。
なお青い固形燃料、当店店頭でバラ売りしています。1個¥25と100均の固形燃料よりお安くしております。


さてエスビット固形燃料、すすが少し出るので厄介なのですが、拭けばすぐ取れるのでそこまで面倒なものではありません。
圧倒的な軽量化が可能なので、メインで使う以外にもストーブで煮込み調理をしているときの予備、非常用、薪や炭への着火用などいろいろ使えます。


密閉パック入りなので長期保存にも耐えます。非常袋に入れておいても良いですね!





2020年11月1日日曜日

コースターブレーキの構造

コースターブレーキは国内ではあまり馴染みのない部品ですが、北米ではメジャーなようで、シティーコミューターなどに幅広く採用されています。 

日本国内ではビーチクルーザー用の部品として認知されていると思います。
右がコースターハブのアップです。黒いハブなので見た目わかりにくいですが、このハブ内部にブレーキ機構が入っています。

かなり独特な動作をするコースターブレーキ、正直なところ動作機構がよくわからなかったので、店長のクルーザー用に用意したコースターハブを分解してみました。

と、その前に、コースターハブについておさらいしておきましょう。上の写真がコースターハブです。写真手前側にスプロケット(シングルスピード)を取付けます。写真上側の棒はブレーキアームです。これとチェーンステーを接続します。

コースターブレーキの動作ですが、上記写真の青い矢印方向、通常の方向にペダルを回すと普通に進みます。逆向きの赤い矢印方向、つまり逆回転するとブレーキがかかります。漕がないと転がります。トラックバイクの直結ハブとは違ってフリー機構があるため転がることができます。直結とは全く別物です。

こちらがシマノ CB-E110 コースターハブの部品図です。これだけだとどういう仕組みなのかよくわかりませんね。

はい分解しました。これを見ていきましょう。

左写真、一番左側が途切れていますが、ハブシャフト端がブレーキコーンです。上の図面の(6)です。中央の2つある瓦型が(8)ブレーキシューです。
右写真のネジが切られたこの部品が(11)ドライバです。右端の溝にスプロケット(シングルなのでギア1枚です)を取付けます。


こちらはハブ内部をドライブ側から見たところです。ベアリングの奥に見えるネジが切られたものが(9)クラッチコーンユニットです。このネジがドライバのネジと噛み合うようになっています。

さてこれだけではさっぱりなので、内部構造をポンチ図にしたのが下図です。

ハブを真後ろから見た断面です。右側の緑色がスプロケット、ここにチェーンがかかっています。スプロケットとドライバは一体構造です。上で見たネジの切られたドライバと、クラッチコーンのネジが噛み合っています。

まず正転時です。普通に漕ぐ方向に回転させると、クラッチとドライバのネジが閉まる向きに回り、クラッチが右移動します。右移動してハブと噛み合うことで回転力が伝わり、ホイールが回ります。


逆転時です。クラッチとドライバのネジが緩む向きに回り、クラッチが左移動します。ブレーキシューが押されてブレーキコーンとクラッチに挟まれてハブ内壁に押し付けられてブレーキがかかります。図では省略していますが、シューはブレーキコーンに設けられた窪みに沿って動くので、シューとコーンは噛み合います。コーンとブレーキアーム、車体がつながっているので制動されます。

と、こんな感じで動いているみたいです。

ここらへんで鋭い方はお気づきかと思いますが、ベアリングに付いているグリスとドライバやブレーキシュー周りについているグリスの色が違うことに気づかれましたでしょうか。こちらは新品なので古いグリスではありません。

このグリスです。シマノ ローラーブレーキグリス
これはローラーブレーキに使うグリスです。金属製のブレーキシューと金属製のハブボディが直接こすれると大変なことになるので、グリスが封入されています。キャリパーブレーキなどに使われる乾式のブレーキと異なり、金属同士の間で高圧になったグリスの剪断抵抗を制動力に用いています。つまりコースターブレーキのシューもローラーブレーキと同じく、グリス切れにならない限り交換の必要はありません。

このブレーキ機構はハブ内部に密閉されているため、ローラーブレーキと異なってグリス補充の必要はありません。というか分解しないと補充できません。事実上、部品寿命の間は保つということなのでしょう。ハブメンテのついでにグリスを交換してやると良いですね。

しかしこのコースターハブ、内部機構のため、回りはじめに回転がぐにょっとするので玉当たりの調整がさっぱり分かりづらいですね。高出力ハブダイナモもコギングトルクがあるので大概ですが、こいつに比べればどうということはないです。

というわけでなかなかおもしろい構造をしているのがコースターハブでした。